4th 「道しるべ」

2025年4月14日

導きの指

彷徨うばかりの道の先で
見上げた眼差しに手を伸ばした

あの日のドアから飛び出し駆ける
たくさんの思い出を置き去りにして

新しい色に変わっていく景色
遠くで雷鳴が重なる走る
バカみたいな日々を壊してゆく

遠く響け

最後の一段を降り切る前に
階段の真ん中で立ち竦んでる

見慣れてる色にのまれそうな夜を
振り切って ここから走れもっと遠く
この先の日々を生きてゆくために

遠く照らせ
遠く響け

と、ある日

とある日の午後
ひとつの価値観が決まった日
元気だったかの
言葉と美しい文字

温かいあなたの手
暑い暑い夏の日

とある日の朝
ひとつの価値観が決まった日
優しい寝顔と
思い出す笑顔

頬に触れた感触
心地よい秋の日

私の身の丈では
この雨のあの海の
たった一粒たったひと掬いさえ
感じられるのか

無くしたものを指折り数える
その手に口づけをしましょう

青い葉からこぼれた雫で
震えてる世界は
今でも

私の身の丈では
この空のあの星の
たった一息一つの瞬きさえ
感じられるのか

薄汚れた夢

薄汚れた夢
砂埃だらけ
顔は煤だらけ
肌も錆びついた

朝日を見ていた
目が眩みそうだ
汗が止まらない
心、丸裸

この美しさに
向き合うためには
背筋を伸ばして
髪を整えて

あわせる顔も何もねえ
ここに立っているからには
ピカールで落としちまえ
こびりついた苛立ちを
砂糖粒一つ
運ぶ蟻たちを
じっと眺めてた
ガキの頃おれは

虫が好きだった
真夏の日差しを
背負ってしゃがみ込み
背中を丸めて

じっと眺めてた
ひとり原っぱで
日焼け虫刺され
風呂で気付いたよ

あわせる顔も何もねえ
ここに立っているからには
ピカールで落としちまえ
こびりついた苛立ちを
砂糖粒一つ
運ぶ蟻たちを
じっと眺めてた
飽きもせずおれは

ジャミラの心は
星空の向こう
おれの心は
夏の空の下

あわせる顔も何もねえ
ここに立っているからには
ピカールで磨いてやろう
瞳曇らす悲しみを
無慈悲な朝日に
立ち向かうためには
背筋を伸ばして
髪を整えて

薄汚れた夢
砂埃だらけ
煤だらけの顔で
錆びついた肌で

愚か者

夏祭りの後のような
夢を見れたらいい
アブラゼミが鳴いている
ノイズだらけのエフェクター

冬の白い吐息のような
言葉言えたらいい
カマイタチが笑っている
人の掃けた十字路で

超人になって
少し気合を入れたら
世界平和も叶うだろう
海も蘇る

超人になって
少し気合を入れたら
世界平和も叶うだろう
海も蘇る
川は綺麗になって
空は澄み渡り
雨は天使の涙のように
みんなの心に沁み渡る

夏祭りの後のような
夢を見れたらいい
冬の白い吐息のような
言葉言えたらいい

天使の涙

この雨はきっと天使の涙だから
ふれたらみんな立ち所に溶けてしまう
きれいな心の奴なら大丈夫
よごれた心の奴から狙われる

6月のフリーマーケットに叩きつける雨
誰も彼もが逃げ惑う
おれは多分溶けちまう方

だけど、どこまでも行けるはずのドアを蹴破って
血眼で嗅ぎ回るのをやめたりはしない
雷雲のその真下で
訳がわからなくなっちまっても
やめたりはしない
そして最後に残るものは
君の姿が映り込んだ
この右の目玉

この雨はきっと天使の涙だから
ふれたらみんな立ち所に消えてしまうよ

紫陽花通りを駆け抜けてゆく水色ベスパ
死にゆく世界の喉元にサヨナラを突きつけてやる
楽しい事、悲しい事、面白い事の全てを
一つ残らずやり遂げてみたいな

だから、どこまでも行けるはずのドアを蹴破って
血眼で嗅ぎ回るのをやめたりはしない
雨上がりの虹の下で
意味が分からなくなっちまっても
やめたりはしない
そして最後に残るものは
君の前に差し出した
この右の手首
君の姿が写り込んだ
この右の目玉

オクリビ

見送る 過去の日が
降り注ぐ 夏の夜は

花火をしながら
ねぇ 笑って過ごそう

いくつもの日々で
笑顔の君と

遠い日の夕暮れが過(よ)ぎる
ひまわりに隠れてる扉
夕焼け色に染まる窓辺で
はぜる火花向こうに
母の呼ぶ声が

さよならは寂しくて
引き止める声がする

花火をしながら
ねぇ 笑って過ごそう

思いで映し出す
軒先の小さな灯
花火の音がする
夕暮れの空に

蚊遣火 寒蝉鳴と
夕焼けのすみれ色
一番星の名を
教えてくれた

花火をしながら
ねぇ 笑って過ごそう